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最近発見されたロシア側の史料によって、ロシアは日本との戦争を回避したかったことが、明らかになっています。(前述)
日本側が出した条件を全て受け入れても良いという皇帝の決断が文章として残っていたのでした。 日本側が出した条件は、いわゆる満州韓国交換案でした。 韓国を日本の支配下に置くことを切望したもので、ロシアはこれを認めたものでした。 それはロシアは朝鮮を必要としていなかったからです。 むしろ朝鮮を領有しては、面倒なことが起こると嫌ったものでした。 朝鮮を領有しても期待できる利益はほとんど無かったからです。 (不凍港の問題は解決済みでした。)
なぜこのことを強調したいか?と言えば、こういう条件は日本側もロシアと同じだ、ということを現在の日本人に考えてもらいたいからです。
日本としても、朝鮮を植民地にして、何の利益も得られなかったのです。 経済的には大赤字だったことは、周知の事実でした。
最大の損失は、朝鮮人の憎しみを買ったことです。 朝鮮人の日本人への憎しみの感情は、永遠に朝鮮人の心から消えることはないでしょう。
日本にとって、これほど大きな損失は無い、とどうして気がつかないのでしょう。
ヨーロッパでは、EUが出来て、今までの憎しみを清算して、友好関係が日々に深くなっているときに、東アジアでは、過去の清算さえできていないのは、日本人の歴史認識の欠陥のせいでは無いでしょうか?
こういう物心両面にわたる損失に、現在の日本人が、ほとんど関心が無いのは、どうしてなのでしょうか? 国際関係音痴の日本人、と言えます。
ところでロシアが朝鮮に魅力を感じなかったのに、どうして日本の方は魅力を感じてしまったのでしょうか? 朝鮮を植民地にして、どういう利益を得ようとしたのでしょうか?
そういう利益は幻想だったことが今ではわかってしまっているのに、まだ現在の日本に気がついていない人が多いのはどうしたことなのでしょうか?
左翼の護憲派の人の中にも、司馬遼太郎ファンが多く、朝鮮支配は日本の発展のためにやむをえなかった、という考えの人が多いのも驚きです。
左翼には、資本主義と言うものは利益のために植民地を求めるものだ、と決め付けて、資本主義を倒さなければ、戦争は無くならない、という人が多いようです。
その論の前提は、資本家は植民地化で莫大な利益を上げた、という誤解です。
こういう事実を無視した資本主義論では、戦争を止めることは出来ないでしょう。 |
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