人を馬鹿!と言ってはいけない
小林哲夫 : 2010/03/10(Wed) 10:08
No.166
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司馬氏のことを「馬鹿なインテリの真骨頂」などと簡単に切り捨ててはいけません。
何しろ国民作家といわれて、圧倒的に人気のある作家なのです。
司馬氏の本全部を合計すれば、何百万部売れているかわからないような、すごい作家なのです。
それも右翼作家として、軍国主義を煽るような作家ではなくて、どちらかと言えば左翼的で、良心的作家とされている人です。
15年戦争については、全面的に日本の間違いであることを表明しており、軍国主義批判も盛んに行った作家です。
「坂の上の雲」については、少々反省していて、映像化を禁止していた、という良心的なところも有った作家です。
こういう人を「馬鹿!」と言う人は、彼を尊敬し、その著作を愛読している人々全体を馬鹿だ!と切り捨てていることになります。
ある作家の一部の史観を取り出して、それが間違っていると思ったからといって、作家全体を馬鹿と言ったり、それを愛読する人を馬鹿と言ったりしてはいけません。
それは殆どの日本人を馬鹿と言うことになるからです。
私自身は護憲派で、平和が一番重要だと考えるものですが、そのために行う我々の平和運動は、多くの日本人と話し合って、行うものだと思っています。 平和は国民の話し合いによって実現すべきだと思っています。
そういう説得の対象である多くの日本人を「馬鹿だ!」と言ってしまっては、いけません。 そんなことをすれば、その人たちを切り捨てることになって、話し合いの場をもてなくなります。
平和を願う我々は、普通の多くの日本人と話し合って、一緒に平和な日本を作るのが目的ではないでしょうか?
日清日露戦争までは正しかった、と信じていて、司馬氏の小説を愛読している多くの日本人に、その史観は間違っている、と話しかけて、間違いに気がついてもらうためには、決して「馬鹿!」などといってはいけません。 |
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