ロシアの朝鮮観(2)
小林哲夫 : 2010/03/20(Sat) 07:36
No.184
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前回の投稿で強調したのは、ロシアは「朝鮮を支配する利益は無い」と考えていたということです。
もちろんロシアがこのころ、不凍港を求めて西方に進み、シベリア開発に力を入れ、次に中国国境の満州への進出を図っていたことを否定するものではありません。 これは人口希薄な土地に対する領土的欲望であることは疑えませんが、中国本土、朝鮮領土まで進出してこれを支配しようとするものではない、ということを意味します。
この当時の植民地主義を、やみくもに植民地を求めた行動と考えるのは間違いです。 人口希薄な土地の取得と、人口稠密な地方の植民地化とは意味が全然違います。
植民地獲得の目的とそのためのコストということ、すなわち採算計算というものがあって、具体的な姿はそれぞれ違う、ということです。
この時ロシアが、朝鮮を植民地にするメリットは無く、だから植民地にする気も無かったのでした。
この事実から次のようなことが、推定できます。
1、日本が朝鮮を植民地にする利益も無かった、ということです。 結果的に朝鮮経営は大赤字だった、という結果論として証明されています。 日本が朝鮮を植民地にしたのは、植民地を持てば儲かるに違いない、と誤解したことが原因です。 大英帝国は、植民地の保有によって繁栄できた、という誤解があったと思います。 (これが誤解かどうかと言う問題は議論が必要と思いますが・・・・。)
2、ロシアが朝鮮を植民地にする気が無かった、と言う事実は、他の西洋諸国もそういう気が無かった、と言うことを意味します。
3、ロシアが朝鮮を植民地にする気が無かった、ということは、日本を植民地にする気などあるはずが無い、と言うことです。
4、ロシアが日本を植民地にする気が無い、ということは西洋諸国が日本を植民地にする気は無かった、ということも意味します。
これらのことが、ロシアの朝鮮観から導き出される結論です。
当時の日本人が日本が西洋の植民地になることを恐れたということ、そのことを現在の日本人も未だに信じているのは、杞憂に過ぎないと言うことです。
ここのところに日本人が気がついて、眼を覚ましてほしい、というのが私の投稿の最大の目標なのです。
結論 西洋諸国は日本を植民地にしようなどと考えていなかった。
日本が植民地にされるのではないか?と恐れたのは、被害妄想に過ぎない。
追記 読者の皆様には、ここのところが理解できないと思われます。 これについては質問に答える形で、説明する以外にないので、質問をお待ちします。 |
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