風と舞い人
ご老体 : 2009/04/22(Wed) 05:27
No.62
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春の嵐か 船出はかくも楽しき
桜の花の下で、にぎやかに舞う。 五月の美しい風の中で、軽やかに舞う。
「市民の政策研究会」(「くるま座」)はあでやかな舞を見せるはずだった。 金沢の地に、有縁 無縁の人々の群れに、飛び込んで舞う、白拍子が現れるはずであった。
ふーと風が吹いた。頬を押さえる者、髪を押さえる者、誰もが、その一陣の風の通り道を追った。
風は舞った。しばし、その場にとどまり、やさしい風を送った。
風が笑った。私をつかまえてみてごらん。あなたたちにつかまえらる?
風は、立ち去ろうとした。
別の方から、新しい風が吹き出した。
二つの風が、戯れ始めた。
私は、新しい風になるのよ、さあ、おつかまえあれ!
あなたは、網を投げるの、
あなたは、石を投げるの、
あなたは、そーと見守るだけなの、
しばし、わたしの舞を見なさい。
遠くから騎馬が現れた。
馬上の騎士は、小枝を振りかざし、我こそは「森党の某なるものにて候、尋常に立ち会え」
「小癪なる、若造、ちょこざいな」
「森党を名乗るは、見上げたもの。ほめてつかわす。だがのう、今は、森をこえ、大地を目指す時よの、主は代わるものだ。広く、広く、より広く、目を開け」
「私的な郎党は、主を卑しめることを知れ、主を、もそっと大きな場に引っ張り出そうというのなら、主を解き放ってやれ」
「名乗りは、げに美しい。しかし、名乗ることもできぬ衆生たちを、見るのも、郎党の役めぞ」
緑の大地に大きな、岩があった。
岩の上で、巫女が舞っている。
麻の衣が、光を浴びて、虹色に輝いている。
岩を見上げるものがいる。
傀儡子。鋳物師。遊女。
木樵。牛飼い。編結。轆轤師。坊主。教戒師。
笛吹き。釆女。非人。網人。寺奴。
有縁、無縁の衆の群れ人。
舞が終わった。
人々が岩の上にあがった。
巫女を囲み、「くるま座」になって、語り始めた。
巫女が消えた。別の鷹飼が中央に座っている。
くるま座は主を変えて、物語を始めた。
だが、遠くで、かの騎士が叫ぶ声が聞こえる。「我こそは、森党の某なるぞ、いざ、いざ・・・」
物語のはじめは、本当に難しい。 主題を決めて書くにしても、難しい。
日本には、連歌というものがあることを改めて知る。
主題を出すもの、それにこたえて、歌をつむぎだすもの、歌は詠み人の数だけあって、延々と続き、俳諧の限定された郎党意識よりも、多様な世界を繰り出す。
郎党のあり方が、問われている。
ああ、それにしても「くるま座」らしい船出。
この慶事を力にすることで、再出発だ。
天の配慮に感謝する。
「市民の政策研究会」会則(案) 1 目的
本会は、下記の基本理念のもと森一敏とともに政策研究を行い、金沢においてその実現をめざすことを目的とし、その名称を「市民の政策研究会」(くるま座)とする。
私は、「くるま座」という言葉を見つけ、それに、美しい衣を着せてくださった人に、感謝をする。
しかし、「くるま座」は、「市民の政策研究会」の機能の一つであると考える。
どなたかが、言っていた、政策研究なんておこがましい、片手間にできるものではなく、すぐれて優秀な人の手を経なくてはできるものでないという考えは、とらない。
政策研究は誰もが、手がけることができるという立場をとりたい。ただそのために、不断の努力で、自らに力をたくわえる作業が必要で、そのための場として、「くるま座」があると考えたい。
匿名から、それぞれの顔が見える組織へ、森かずとしを結節点とすることをうたい、そこで、右も左も、上も下も乗り越えて、市民としての運動を模索してみたいと思う。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
上の文章家は、昨夜未明に書き、掲示板にのせたものである。
しかし、昼ごろから、書き手のご老体らしく、醜くて汚らしいと思い、削除した。
情緒的で、没論理的で、何が、舞姫だと思ったのだ。
そんなことだから、19日の総会で、呼びかけ人の一人としても思うことも十分に伝えられず、一年の議論といっても、自分自身の底の浅さを思い切り示したのだった。
「市民の政策研究会」として出発したことを示し得なかったことは、呼びかけ人として、失格であると思ったのだ。
しばし、閉門蟄居するべきだと思ったのだ。
ああ〜
「くるま座」という言葉が独り歩きしたことへの配慮がいかにも浅かった。
間口の大きさにとらわれるよりも、奥行きの深さに目を移そうよ!と言い切れなかった。
方法で躓くより、目的で躓いたことの意味は、おおきい。
それでも、設立総会を、司会者が『流会』としたこと、それを、参加者が、『了』としたことに希望を持ちたい。
うまれ出ずる悩み・・・有島といえば、こんな題名もあったような・・・小さき者へ
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